アカネの花(ササユリがナビゲートします)
茜といえば、夕焼けの色。
ごく地味に咲いています。
ずっと昔、
赤色を染めることのできる染料は
アカネだけだっといいます。
冬に根を掘り取って、
椿の灰を使って染めるようです。
茎は四角で、
表面にはごく小さな棘があります。
あかねさす、
紫野行き標(しめ)野行き
野守は見ずや、
君が袖振る
万葉集でも有名ですね。
古墳時代、あるいは奈良時代にはいって、
エジプト原産のベニバナが入ってきます。
中国から伝わったので、
くれない(呉の藍)。
口紅に使いますね。
おなじころ、
ラックカイガラムシを原料とする
臙脂(えんじ)も入ってきます。
インド、東アジアが原産です。
正倉院には
「紫鉱」の名前で保管してあるそうです。
黒味を帯びた赤色を染める
蘇芳(すおう)も、
インド・マレー原産のマメ科の低木で、
これらは、いずれも外来です。
アカネの葉は、
4枚出ているように見えますが、
本当の葉は、
右下と左上の2枚だけ。
葉の付け根から、
茎が枝分かれして伸びているのが
わかりますか?
のちに、
外国産のアカネが入ってきて、
こちらは、西洋アカネと呼ばれています。
葉が6枚あるように見えるので、
六つ葉茜ともいいます。
アカネといいますが、
赤だけでなく、
黄色の色素も混じっているので、
根は、オレンジ色です。
冬になったら、掘り出して、
お見せしましょうね。
赤く色づいてきました。
中国では花椒(ふぁじょう)。
回鍋肉(ほいこうろう)や
麻婆豆腐(まーぼうとふ)に
使いますね。
日本では、麻婆豆腐は、
「顔にアバタ(麻)のあるおばさん(婆)が作った」
と聞いていましたが
今の中国では、
麻辛豆腐(まーらーとふ)
と呼ぶようです。
麻は、麻酔の麻で、しびれる感じ、
辛は、辛油(らーゆ)と同じ
といっていました。
日本でも
山椒の実を使いますが、
こちらは若い緑の実。
山椒の実が割れた姿の、
「割り山椒」という器も
和食に使いますね。
ナビゲーターはササユリでした。