火の伽(ササユリがナビゲートします)
明日、1月23日は旧暦の元旦。
今日は旧暦12月29日ですが大晦日。
「大(おお)三(み)十(そ)日(か)」、
「大(おお)月(つ)籠(ごもり)」
ともいいますね。
大分、宮崎、熊本の山間部では、
大歳(うーどし)と呼びます。
宮崎県の椎葉村で
焼畑を営んでこられた、
椎葉秀行(故人)、クニ子ご夫妻にうかがった話です。
大歳(うーどし)には、
掃除をして穢れを祓い、
正月を迎える準備を終えます。
夜になると正装に着替えて
家族が座敷「出居(でー)」の
囲炉裏の周りにあつまって
寝ないで正月を迎えます。
囲炉裏には、大きな薪をくべて
夜通し焚き続けます。
これを
「火の伽ぎ(ひのとぎ)」
と呼んで、
正月5日間(ごかんにち)は
火を絶やさないようにします。
このときの
薪に使うのが
「樫」や「こうはり」。
「樫」はシラカシ、
硬くて火持ちが良いからです。
「こうはり」は
カナクギノキ。
クスノキ科で香りが良いからでしょうか。
正月は、
若水を汲んで、
茶を淹れて、
オカン(里芋)を煮て、
神仏に祈ってから戴きます。
その後は、
家に籠って
「物忌み」して
静かに過ごします。
焼畑では、
最初の年に
ソバを作るのですが、
(冒頭の写真もソバの花の中で撮りました)
大正月の行事には登場しません。
そのかわり、
小歳(こどし=小正月)に、
小豆餡を入れた「びん饅頭」
というのを作った
と伺いました。
湯来の
昔の正月行事についても
今のうちに
聞き書きしておきましょうか。
ナビゲーターはササユリでした。