リョウブの花(ササユリがナビゲートします)

リョウブの花が咲きました。

110717_ryoubu_hana

令法と書きます。
若葉は塩茹でして「令法飯」にします。

この語源について、
「むかし、飢餓に備えて
葉を集めるように法令で定めたから」と
いう説明があります。
また、リョウブの古名のハタツモリについて、
「畑の番人」とか
「畑の面積に応じた備蓄量の見積」とか
の解釈があります。

110717_hatatumori

それに対し
植物学者の牧野富太郎博士は
「歴史的に、その証拠がない」
と書いています。
牧野博士は、また、ハタツモリについて、
「たくさんの白旗が群がり集まったように咲く花の姿」
が語源だろうとも書いています。

ちょっと遠くから見ると、

110717_ryoubu_ho
白旗にも見えますかねぇ。

ネットを眺めていると、
新しい解釈に出会いました。
和泉晃一さんの「リョウブの語源」
 http://www.ctb.ne.jp/~imeirou/soumoku/m/ryoubu.html
です。
「白花の総状花序を、
瑞祥(ずいしょう)の
白龍の尾に見立てた」
というものです。

地上に咲くオカトラノオ(虎の尾)に対し、
樹上に咲く白龍の尾に見立てたという説です。

なるほど、
オカトラノオの花穂

110717_okatoranoo

リョウブの花穂

110717_ryou_bi

との対比ですね。

11世紀初頭の能因法師の歌には
「令法」と「はたつもり」が同時に出てきます。

和泉さんは、
リャウブという音を、
「令法」という嘉い字を選んで用いた
と考えているようですが、
「龍尾」も結構、嘉い字なのに、
なぜでしょうねぇ。

ここからは、
私の妄想です。

山登りの好きな方は、
大分県の久住山をご存知でしょうか。
あの久住という名称は、
「観音令法久住」に由来します。
「観音様が間違いなく永遠にこの山にお住まいになる」
という意味です。

「令法」には
「間違いなく」
という意味があって、
「この木の葉を蓄えておくと
飢饉のときにも
間違いなく生きながらえる」
という意味を込めたのではないでしょうか。

私は以前、
リョウブの木肌の
110717_ryoubu_juhi

マダラ模様を見ながら、
「両部曼荼羅」のリョウブですよ
という説明を受けたこともあります。

山岳密教が盛んになったころ、
いろいろな意味を込めて、
「令法」の字が広まったのではないか・・・?
と想像しています。

sasa

ナビゲーターはササユリでした。

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